スマート農業を通じて労働力を削減し生産規模拡大しようと、JA三島函南、生産部会員及び水稲を受託する組合員、三島市が連携して3月に設立した三島函南農業用マルチローター利用組合は、ジャガイモの圃場(ほじょう)などでドローン(小型無人飛行機)での農薬散布効果の検証をしています。露地野菜でのドローンを使った農薬散布は珍しく、有効な散布方法の確立を目指します。
同利用組合は6月10日、ジャガイモの圃場で初めてドローンによる農薬散布を実施しました。同組合の宮澤さんがオペレーターとなり、JAが同利用組合へ寄贈したドローンを使用し関係者の前でジャガイモの疫病・アブラムシ対策として倍液を75㌃分の畑に計24㍑を2㍍程の上空から散布しました。
人間が畑に入ることでおこる葉や茎への接触による病害を防ぐことができ、作業時間を大幅に短縮できたことを確認しました。今後、その効果を三島馬鈴薯(ばれいしょ)部会の総会などで報告し、普及拡大を目指します。
宮澤さんは「通常の10分の1の労力で散布作業を終えられた。操縦技術を向上させ、依頼があれば積極的に需要に応えていきたい」と話します。
同JA担当者は「生産者の高齢化や人口減少などによる労働力不足は重要な課題になっている。スマート農業を確立させ、組合員の安定した農業所得の維持と向上に努めていきたい」と話しました。